【更新情報】独自インデックス&マネーフロー

  1. 2026年9月21日 POML.JP Chart v3 公開。市場の「現在地・理由・次に見るもの」をまとめて確認できるようになりました
    1. ASSET BIAS:資産ごとの環境を一覧表示
    2. FX HEDGE BIAS:為替リスクへの注意度を確認
    3. MARKET DECISION:複数の情報を一つの画面で整理
      1. THESIS BREAKER
      2. SIGNAL CONFLICT
      3. DECISION DELTA
      4. INFORMATION QUALITY
    4. WATCH NEXT:「次に何を見るか」を自動整理
    5. Money Flowページの日本語説明も大幅強化
    6. アクセシビリティも改善
    7. 「チャートを見るサイト」から「市場を整理するサイト」へ
  2. 2026年9月11日 更新:MONEY FLOWに円安・円高の「水準」と「方向」を分けて見るJPY指標を追加しました
    1. JPY VALUATION:円は長期的に割安か、割高か
    2. JPY MOMENTUM:USD/JPYは円高方向か、円安方向か
    3. 「円高方向」と「円が割高」は同じではありません
    4. 「まだ円安だが、円高方向へ戻っている」を数値化
    5. FX HEDGE BIAS:為替ヘッジを考えるための参考指標
    6. 円高局面でも「全部ヘッジ」にはしません
    7. 外国株と外国債券では為替リスクの意味も異なります
    8. ASSET BIASも追加しました
    9. REERとUSD/JPYでは更新頻度が異なります
    10. MONEY FLOWを「世界・日本・円」の3方向から見る
    11. v2.10.0で目指したもの
  3. GLOBAL FLOW SCOREの履歴を拡張
  4. JAPAN FLOW SCOREを追加
    1. 海外から日本への資金
    2. 日本から海外への資金
    3. 市場ポジション
  5. 日本の長期資金フローを1988年まで拡張
  6. 古い統計は無理につなげない
  7. Risk-On / Risk-Offの表示を変更
  8. Scoreは複数の時間軸を混ぜている
  9. 各系列を標準化して合成
  10. 財務省データの取得を強化
  11. LONGEVITY / SURVIVOR系指数を改善
  12. 香港市場の長期候補銘柄を更新
  13. 再構築値と実測スナップショット
    1. 再構築値
    2. 実測スナップショット
  14. 今後について

2026年9月21日 POML.JP Chart v3 公開。市場の「現在地・理由・次に見るもの」をまとめて確認できるようになりました

POML.JP Chartをv3へアップデートしました。

今回の大きな変更は、単に市場データやチャートを見るだけではなく、

「今どんな市場環境なのか」
「なぜそう見えるのか」
「次に何を確認すればいいのか」

まで、一つの流れで確認できるようになったことです。

特にMoney Flowページを中心に、複数の新機能を追加しました。

ASSET BIAS:資産ごとの環境を一覧表示

新しい「ASSET BIAS」では、現在の市場環境が各資産に対してどのような状態なのかを一覧で確認できます。

対象には、

  • 世界株式
  • 日本株
  • 外国債券
  • 日本円
  • 為替ヘッジ

などが含まれます。

複数の市場データをもとに、各資産について「追い風」「中立」「慎重」などの状態を整理して表示します。

これは売買シグナルではなく、現在の市場環境を資産別に俯瞰するための参考表示です。

FX HEDGE BIAS:為替リスクへの注意度を確認

円の長期的な割高・割安、水準の変化、足元の方向などから、為替ヘッジをどの程度意識すべき環境なのかを整理する「FX HEDGE BIAS」を追加しました。

単純に「円高だから」「円安だから」と判断するのではなく、複数の条件を分けて確認できるようにしています。

MARKET DECISION:複数の情報を一つの画面で整理

v3の中心機能の一つが「MARKET DECISION」です。

市場を見るときは、一つの指標だけで結論を出すことはできません。

そこでMARKET DECISIONでは、GLOBAL FLOW、JAPAN FLOW、JPY CONDITIONSなど複数の情報をまとめ、現在どのような市場シナリオが支持されているのかを整理して表示します。

さらに、結果だけではなく、その判断材料も確認できます。

THESIS BREAKER

現在の市場シナリオが、どの条件によって変化する可能性があるかを表示します。

つまり、

「今の見方が崩れるとしたら、何が変わったときなのか」

を見るための項目です。

SIGNAL CONFLICT

市場データは、いつも同じ方向を示すわけではありません。

株式関連のデータは強いのに、資金フローは弱い、といった食い違いが発生することがあります。

SIGNAL CONFLICTでは、そのような指標同士の矛盾の大きさを確認できます。

DECISION DELTA

前回観測時から、どの判断材料がどの程度変化したかを表示します。

単純な現在値だけでなく、

「昨日までと比べて何が動いたのか」

を追いやすくしました。

INFORMATION QUALITY

市場判断に使用しているデータについて、

  • データの取得状況
  • 鮮度
  • 充足率
  • 信頼度

などを確認できます。

データが不足している場合には、それを隠して判断を出すのではなく、データ不足として表示します。

WATCH NEXT:「次に何を見るか」を自動整理

もう一つの大きな新機能が「WATCH NEXT」です。

市場を見るとき、意外と難しいのが、

「結局、次は何を確認すればいいの?」

という部分です。

WATCH NEXTでは、現在の市場状態から、次に注目する価値が高いポイントを最大4項目まで整理します。

主に、

  • 判断境界に近づいている項目
  • 前回から大きく変化した指標
  • 他のシグナルと食い違っている項目
  • 更新待ち・鮮度に注意が必要なデータ

などが対象になります。

WATCH NEXT自体が将来を予測するものではありません。

現在の判断が変化するとしたら、どのデータを監視しておくべきか

を整理するための機能です。

Money Flowページの日本語説明も大幅強化

機能が増えた一方で、従来のMoney Flowページは英語の指標名が多く、初めて見ると「どこから読めばいいのか分かりにくい」という問題もありました。

そこで最新版では、ページ全体の日本語説明も大幅に増やしています。

ページ上部には「このページの見方」を追加し、

市場全体を見る → 資産別に見る → 判断理由を見る → 次の監視ポイントを見る

という流れが分かるようにしました。

coverage、confidence、z-score、weight shareなどの専門用語についても、日本語の説明を併記しています。

アクセシビリティも改善

v3.0.4では、見た目以外の使いやすさも改善しました。

指数ページでは見出し構造を整理し、タブや切り替えボタンへARIA属性を追加しました。

キーボードでも矢印キー、Home、Endなどを使って指数タブを移動できます。

また、Money Flowのデータ取得に失敗した場合も「読み込み中」のまま止まらず、エラー内容を表示して一定時間後に再取得するよう改善しています。

「チャートを見るサイト」から「市場を整理するサイト」へ

POML.JP Chartは、もともと各種チャートや独自指数を確認するためのツールとして作り始めました。

v3ではそこから一歩進めて、

データを見る
→ 状況を整理する
→ 判断材料を確認する
→ 次に監視するものを確認する

ところまでを一つの画面で追えるようになりました。

今後も「結論だけを出すツール」ではなく、利用者自身が市場を考えるための材料を、できるだけ分かりやすく整理するツールとして改善していきます。

POML.JP Chart
https://poml.jp/chart/

※POML.JP Chartに掲載している指数、統計加工値、チャート、市場判断表示等は、情報提供・研究・可視化を目的とした参考情報です。投資助言、投資勧誘、特定の金融商品の購入・売却・保有を推奨するものではありません。掲載情報の正確性・完全性や将来の成果を保証するものではありません。最終的な判断は利用者ご自身で行ってください。

2026年9月11日 更新:MONEY FLOWに円安・円高の「水準」と「方向」を分けて見るJPY指標を追加しました

POML.JP Chart を v2.10.0 に更新しました。

今回の主な変更は、MONEY FLOWへの JPY CONDITIONS の追加です。

これまでのMONEY FLOWでは、

  • GLOBAL FLOW SCORE
  • JAPAN FLOW SCORE

を中心に、世界市場と日本市場の資金フローを表示していました。

v2.10.0では新たに、

  • JPY VALUATION
  • JPY MOMENTUM
  • FX HEDGE BIAS

を追加しました。

今回の更新で特に重視したのは、

現在の円が長期的に見て割安なのか、割高なのか

と、

足元のUSD/JPYが円高方向・円安方向のどちらへ動いているのか

を別々に評価することです。

たとえば、

円は歴史的に見るとまだかなり円安水準。
しかし最近のUSD/JPYは円高方向へ動いている。

という状態があります。

従来の「円高」「円安」という一言だけでは、この2つをうまく表現できません。

そこでPOML.JP Chartでは、円の長期的な評価と短中期の為替モメンタムを別の指標として表示するようにしました。


JPY VALUATION:円は長期的に割安か、割高か

JPY VALUATION は、現在の円が長期的な水準と比べて割安なのか、割高なのかを見るための指標です。

短期間のUSD/JPYレートだけで判断するのではなく、BISの 実質実効為替レート(REER:Real Effective Exchange Rate) などの長期データを利用して評価します。

実質実効為替レートは、円を米ドルだけと比較するのではなく、日本の主要な貿易相手国との為替レートや物価の違いなどを考慮した指標です。

そのため、

「1ドル何円か」

だけを見るよりも、長期的な円の割安・割高度を見る材料として利用できます。

JPY VALUATIONのスコアは、

-100 ~ +100

で表示します。

マイナス方向ほど、円が自身の長期履歴と比べて割安。

プラス方向ほど、長期的に割高な状態を示します。

表示は概ね、

  • Very Cheap
  • Cheap
  • Mildly Cheap
  • Fair
  • Mildly Expensive
  • Expensive
  • Very Expensive

のように分類されます。

なお、REERの指数が100だから「適正価格」という意味ではありません。

POML.JP Chartでは、円自身の長期的な履歴の中で、現在がどの程度低い位置・高い位置にあるのかを評価しています。


JPY MOMENTUM:USD/JPYは円高方向か、円安方向か

JPY MOMENTUM は、現在の円がどちらへ動いているかを見る指標です。

JPY VALUATIONとは完全に独立しています。

スコアは、

-100 = 強い円安方向

0 = 明確な方向感なし

+100 = 強い円高方向

として表示します。

計算では、

  • 5営業日
  • 20営業日
  • 60営業日
  • 120営業日

など複数の期間のUSD/JPYの値動きを利用します。

数日間だけの急激な為替変動で判定が大きく変わらないよう、短期から中長期までを組み合わせています。

USD/JPYでは、

USD/JPY上昇 = 円安

USD/JPY下落 = 円高

となるため、JPY MOMENTUMではこの方向を円基準に変換して評価しています。


「円高方向」と「円が割高」は同じではありません

今回の更新で最も重要なポイントです。

たとえば、

JPY VALUATION:Cheap

JPY MOMENTUM:Strengthening

と表示されている場合、

これは

「円が高い」

という意味ではありません。

正確には、

円は長期的にはまだ割安な水準にあるが、足元では円高方向へ動いている

という状態です。

逆に、

Cheap + Weakening

であれば、

すでに長期的に割安な円が、さらに円安方向へ進んでいる

ことになります。

ほかにも、

Expensive + Strengthening

なら、

円が長期的に割高な状態から、さらに円高方向へ進行。

Expensive + Weakening

なら、

割高な円が円安方向へ戻り始めている、

という読み方ができます。

POML.JP Chartでは、この「円の価格水準」と「現在の方向性」を1本のゲージにまとめず、別々の指標として表示します。


「まだ円安だが、円高方向へ戻っている」を数値化

今回のJPY CONDITIONSは、特に次のような状態を表現することを目的にしています。

円は長期的な実質実効為替レートで見るとまだ割安。
しかし最近のUSD/JPYでは円高方向への動きが強くなっている。

つまり、

「まだ円安」

と、

「最近は円高」

は同時に成立します。

ニュースなどで「円高が進んだ」と報道されていても、長期的な円の価値から見れば、依然としてかなり割安な場合があります。

逆に、短期的に円安方向へ動いていても、長期的には円が割高な状態というケースもあり得ます。

今回の更新では、この違いをMONEY FLOW上で確認できるようにしました。


FX HEDGE BIAS:為替ヘッジを考えるための参考指標

さらに、JPY VALUATIONとJPY MOMENTUMを組み合わせた参考指標として、

FX HEDGE BIAS

を追加しました。

FX HEDGE BIASは、外国株や外国債券などの外貨建て資産について、

為替ヘッジをどの程度意識しやすい環境なのか

を見るための指標です。

表示は、

  • NONE
  • LOW
  • PARTIAL
  • HIGH

の4段階です。

たとえば、

円が長期的にかなり割安

かつ、

USD/JPYが円高方向へ動き始めている

場合には、FX HEDGE BIASがPARTIALやHIGH方向へ上昇する可能性があります。

これは、

「すぐに為替ヘッジありの商品へ切り替えるべき」

という意味ではありません。

あくまで、

外貨資産を持つ際に為替変動リスクをどの程度意識すべき環境なのか

を整理するための参考指標です。


円高局面でも「全部ヘッジ」にはしません

外国資産では、為替ヘッジにもコストがあります。

特に日本と海外の金利差が大きい場合、為替ヘッジコストが運用成績に影響することがあります。

そのためPOML.JP Chartでは、

USD/JPYが円高方向だから即100%ヘッジ

という単純な判定にはしていません。

現在の円が長期的に割安なのか、割高なのかを比較的重視し、そのうえで足元のJPY MOMENTUMを組み合わせてFX HEDGE BIASを計算します。

将来的には、

  • 日本と海外の金利差
  • 実際の為替ヘッジコスト
  • 株式向けヘッジ
  • 債券向けヘッジ

なども分離して評価できる構造を予定しています。


外国株と外国債券では為替リスクの意味も異なります

外国株と外国債券では、為替変動の影響も同じではありません。

一般に外国債券は、債券価格そのものの値動きより為替変動のほうが大きくなるケースもあります。

一方、外国株は株価そのものの変動幅も大きいため、為替ヘッジの意味合いは異なります。

現時点のFX HEDGE BIASはMONEY FLOW上で共通指標として表示しますが、内部的には将来的に、

equity hedge

と

bond hedge

を分離できるようにしています。


ASSET BIASも追加しました

MONEY FLOWでは、各指標をまとめて確認しやすくするため、簡易的な ASSET BIAS も追加しました。

対象は、

  • GLOBAL EQUITY
  • JAPAN EQUITY
  • FOREIGN BONDS
  • JPY
  • FX HEDGE

です。

ただし、

BUY

SELL

今買うべき

今売るべき

といった直接的な売買シグナルにはしていません。

POML.JP Chartの各指標は、市場環境や資金フロー、為替環境を整理するための参考情報です。

また、十分なデータが存在しない資産クラスについては、無理にNEUTRALなどの判定を生成せず、直接的なシグナルがないことが分かるようにしています。


REERとUSD/JPYでは更新頻度が異なります

今回追加したJPY指標では、データによって更新頻度が異なります。

たとえば、

実質実効為替レート(REER)は主に月次。

USD/JPYは日次。

といった違いがあります。

POML.JP Chartでは、この更新タイミングの違いを隠さず、

  • coverage
  • confidence
  • provider
  • last updated

などのデータ品質情報も扱えるようにしています。

また、過去の市場環境を検証する際には、当時まだ発表されていなかった統計データを未来から持ち込まないよう、統計の公表タイミングも考慮しています。


MONEY FLOWを「世界・日本・円」の3方向から見る

v2.10.0では、MONEY FLOWを大きく3つの軸から確認できるようになりました。

GLOBAL FLOW

世界市場全体がRisk-On方向なのか、Risk-Off方向なのか。

JAPAN FLOW

日本市場固有の資金フローが強いのか、弱いのか。

JPY CONDITIONS

円が長期的に割安・割高なのか。

そして、足元のUSD/JPYが円高方向・円安方向のどちらへ動いているのか。

これらを組み合わせることで、

「世界株が強い」

「日本への資金流入は中立」

「円はまだ長期的に割安」

「しかしUSD/JPYは円高方向へ戻している」

「外貨資産では部分的な為替ヘッジを意識する環境」

といった形で、市場環境を立体的に見ることができます。


v2.10.0で目指したもの

今回作りたかったのは、単純な

「今は円高か、円安か」

という表示ではありません。

より正確には、

「円は長期的にはまだかなり安い。しかし、最近は円高方向へ戻り始めている」

という状態を数値として表現できる仕組みです。

USD/JPYだけでは見えにくい円の長期的な割安・割高を実質実効為替レート(REER)などから確認し、それとは別に現在の円高・円安モメンタムを確認する。

さらにGLOBAL FLOW SCORE、JAPAN FLOW SCOREと組み合わせることで、

世界市場

日本市場

円・為替

を1つのMONEY FLOW画面から確認できるようになりました。

今後もPOML.JP Chartでは、単一の株価や為替レートだけを見るのではなく、資金フロー、株式市場、為替、長期的なバリュエーションを組み合わせ、市場環境をできるだけ分かりやすく確認できるよう改善していきます。


チャートツールを更新しました。

前回の更新では、PCのウインドウ表示でチャートや各種情報を確認しやすいよう、表示領域やレイアウトを中心に改善しました。

その後、資金フロー分析、長期データ、独自指数、データ取得の安定性を中心に機能を拡張しています。

今回の主な更新内容をまとめます。

GLOBAL FLOW SCOREの履歴を拡張

世界の資金の流れをまとめて見るための「GLOBAL FLOW SCORE」を強化しました。

これまでは比較的新しい期間を中心に表示していましたが、現在は利用可能な統計を使って、最大20年程度まで過去のスコアを再構築できるようにしています。

表示期間は、

  • 1年
  • 3年
  • 5年
  • 10年
  • 20年
  • 全期間

から切り替えられます。

GLOBAL FLOW SCOREでは、複数の公的統計や市場ポジションを組み合わせています。

主な構成要素は、

  • 海外投資家から米国株への資金フロー
  • 海外投資家から米国債への資金フロー
  • 米国外向けの米ドル建て信用
  • S&P 500先物の投機筋ポジション
  • NASDAQ-100先物の投機筋ポジション
  • 金先物のManaged Moneyポジション

などです。

データ提供元も一つに依存せず、米国財務省、BIS、CFTCなど複数の統計を利用しています。

各統計は公表頻度が異なるため、単純に同じ日付のデータとして扱うのではなく、実際の公表日または保守的に設定した公表ラグを考慮して「その時点で利用可能だった情報」を判定しています。

過去部分については、現在入手できる統計値を使った再構築値です。

運用開始後については、その日に実際に取得・計算して保存したスナップショットを優先します。

JAPAN FLOW SCOREを追加

新しく「JAPAN FLOW SCORE」を追加しました。

GLOBAL FLOW SCOREが世界全体の資金環境を見るための指標なのに対し、JAPAN FLOW SCOREは、日本市場への資金の入り方と、日本から海外への資金の出方をまとめて見るための指標です。

現在は主に以下の系列を使用しています。

海外から日本への資金

  • 海外投資家 → 日本株 Net
  • 海外投資家 → 日本中長期債 Net

日本から海外への資金

  • 国内投資家 → 海外株 Net
  • 国内投資家 → 海外中長期債 Net

市場ポジション

  • 日経平均先物のLeveraged Money Net
  • 日本円先物のLeveraged Money Net

現在の基本ウェイトは、

  • 海外 → 日本株:30%
  • 海外 → 日本中長期債:10%
  • 日経平均先物ポジション:25%
  • 日本円先物ポジション:10%
  • 国内 → 海外株:15%
  • 国内 → 海外中長期債:10%

としています。

国内投資家による海外証券への資金流出については、日本への資金流入とは逆方向の要素としてスコアへ反映します。

一つの統計だけで日本市場を判断するのではなく、

「海外投資家が日本へ向かっているか」

「日本国内の資金が海外へ向かっているか」

「先物市場ではどちらへポジションが傾いているか」

をまとめて見る設計です。

日本の長期資金フローを1988年まで拡張

現在のJAPAN FLOW SCOREを、そのまま1980年代まで遡らせることはできません。

当時は現在利用している統計の一部が存在せず、財務省の証券投資統計についても現在とは集計方法が異なります。

そこで、通常のJAPAN FLOW SCOREとは別に「日本の長期クロスボーダーフロー参考系列」を追加しました。

こちらでは財務省の長期統計を利用し、1988年まで遡って日本と海外の間の資金移動を見ることができます。

長期チャートには、市場環境を比較しやすいよう、

  • 1989年:バブル期
  • 2000年:ITバブル崩壊
  • 2008年:リーマンショック / 世界金融危機
  • 2020年:COVID-19

の目印も表示します。

これにより、現在の資金フローだけでなく、大きな市場イベントの前後で海外と日本の資金移動がどう変化していたのかを確認できます。

古い統計は無理につなげない

長期データでは、期間が長ければ長いほど統計方式の変更が問題になります。

特に日本の対外・対内証券投資統計は、古い統計と現在の統計を完全な同一系列として扱うことができません。

そのため、統計上の連続性が確保できない期間については、数値を推定して無理につなげるのではなく、チャート上でもデータを区切って表示します。

また、財務省統計では過去にNet値の符号定義が変更された期間があります。

長期比較ではこの違いを補正し、現在のチャート上ではできるだけ同じ方向の意味になるよう統一しています。

「長期間表示できること」よりも「意味の異なる数字を同じ系列に見せないこと」を優先しています。

Risk-On / Risk-Offの表示を変更

資金フロー画面のRisk-On / Risk-Off表示も見直しました。

以前は、

  • Risk-On:緑
  • Risk-Off:赤

という表示でした。

しかし、Risk-Onは「安全」、Risk-Offは「危険」という意味ではありません。

Risk-Onは、株式など値動きの大きい資産へ資金が向かいやすい状態です。

Risk-Offは、債券や現金など比較的守りの資産へ資金が向かいやすい状態です。

そのためRisk-Onが極端に強い状態では、市場が過熱している可能性もあります。

逆に、強いRisk-Offは金融市場のストレスや急激なリスク回避を示している場合があります。

赤と緑では「危険 / 安全」と誤解しやすいため、現在はRisk-OnとRisk-Offを方向性として識別する配色へ変更しています。

エラーやデータ取得異常など、本当に注意が必要な状態については別途赤色で表示します。

Scoreは複数の時間軸を混ぜている

GLOBAL FLOW SCOREとJAPAN FLOW SCOREでは、すべての統計が毎日更新されるわけではありません。

例えば、

  • 日次
  • 週次
  • 月次
  • 四半期

と、データによって更新頻度が大きく異なります。

そのため、最新値の日付だけを比較すると、四半期統計が常に「古いデータ」に見えてしまいます。

本ツールでは、各データの公表周期と公表ラグを考慮したうえで、その時点で利用できる最新データを組み合わせます。

画面上の各構成系列には、使用しているデータの日付も表示します。

例えば、

「2026-09-01」

「2026-06」

「2026-Q1」

のように、統計ごとに実際に使用した期間を確認できます。

各系列を標準化して合成

資金フロー統計は、それぞれ単位も値の大きさも異なります。

金額をそのまま加算すると、一番金額の大きい統計だけがScoreを支配してしまいます。

そのため、各系列は過去データとの比較から標準化し、z-scoreや変化量のz-scoreなどへ変換してからウェイトを掛けて合成しています。

画面の「Scoreを動かしているもの」では、

  • 使用している統計
  • 最新データ期間
  • z-score
  • ウェイト
  • Risk-On / Risk-Offへの寄与方向

を確認できます。

最終Scoreだけではなく、「なぜ現在のScoreになっているのか」を追えるようにしています。

財務省データの取得を強化

JAPAN FLOW SCOREでは、財務省が公開している対外・対内証券投資統計を重要なデータとして利用します。

公開データでは、CSVの区切りや改行位置などが変化する場合があります。

そのため現在は、

  • CSV
  • TSV
  • 空白区切り
  • 数値の改行
  • 全角数字
  • 全角記号
  • 複数の表レイアウト

などをある程度吸収できるようにしています。

ただし、形式を柔軟に認識すると誤った数字を拾う危険も増えます。

そこで、取得した値について、

  • 取得額
  • 処分額
  • Net
  • 小計
  • 合計

の関係が統計上正しく成立しているかも確認します。

単に「数字が取得できたから採用する」のではなく、計算上の整合性まで確認してから使用する仕組みにしています。

LONGEVITY / SURVIVOR系指数を改善

長期存続企業や、市場危機を乗り越えてきた企業を見るための独自指数についても調整しました。

これらは長期間の株価履歴や企業の存続期間が重要になるため、通常の短期チャートとはデータ条件が異なります。

現在は日足専用指数として扱い、15分足や1時間足など不要な時間軸を生成しないようにしています。

これにより、短期データ不足による誤判定や、長期指数に不要なデータ取得を減らしています。

香港市場の長期候補銘柄を更新

香港市場の長期分析候補についても見直しました。

候補に含まれていた恒生銀行は上場廃止となったため、新しいデータ取得対象から除外しています。

代替候補にはStandard Charteredを採用しました。

選定では、

  • 現在も上場している
  • 十分な株価履歴がある
  • 企業として長い歴史がある
  • 世界金融危機を経験している
  • COVID-19など複数の市場ショックを経験している
  • 元の候補と同じ金融セクターである

といった条件を確認しています。

上場廃止銘柄の過去データそのものは削除せず、過去の記録として残します。

再構築値と実測スナップショット

資金フローの履歴には、大きく2種類のデータがあります。

再構築値

運用開始前の期間について、公表済みの統計と公表ラグを利用して過去のScoreを再計算したものです。

当時実際に配信されていた統計の改定履歴を完全に再現するものではありません。

現在取得できる統計値を利用した「current-vintageベース」の参考値です。

実測スナップショット

運用開始後に、その日時点で実際に取得・計算したScoreを保存したものです。

今後はこちらを優先して履歴として使用します。

データが蓄積されるほど、「現在から過去を再計算した値」ではなく、「その時点で実際に見えていた市場環境」を確認できるようになります。

今後について

チャートツールでは、価格チャートだけでは分かりにくい「市場の裏側で資金がどちらへ動いているか」を確認できる機能を引き続き整備していきます。

GLOBAL FLOW SCOREでは世界全体の資金環境を、JAPAN FLOW SCOREでは日本を中心とした資金移動を確認できます。

さらに長期統計を組み合わせることで、現在だけでなく、バブル期、ITバブル、リーマンショックなど過去の大きな局面との比較もできるようにしていく予定です。

※本ツールで表示するScore、独自指数、資金フロー指標は、公開統計や市場データを加工した参考情報です。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、将来の価格変動や投資成果を保証するものではありません。

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